金山地域

【鍛冶の街】

鍛冶屋

新尾頭の交差点を越えて東に行くと左手に金山神社があります。 金山神社は金山彦命を主神とした、鍛冶鋳造の祖神を祀った神社です。 この神社がある場所は熱田神宮修理の鍛冶職だった尾崎氏の宅跡で、尾張鍛冶の発祥の地と言えるところです。 当初は屋敷内の一角に祀られていたのですが、応永年間に尾崎善光の手によって神社として創建され、現在でも金属業者の信仰を集めています。 かつての金山は鍛冶の街だったのです。

【住吉神社】

1734年、堀川を行き交う船の安全を祈って大阪の住吉大社をこの地に勧請し、その後の1762年に大坂廻船名古屋荷主らの手によって住吉橋のたもとに社殿が建設されました。 かつては伊勢、知多、熊野の沿岸にまで住吉神社の威霊は及んだそうで、また船の神様としてだけではなく和歌三神としての崇敬もあり、社前で和歌法楽が催されていたそうです。 堀川を行き交う船も少なくなりましたが、現在でも観光用の屋形船が納屋橋~名古屋港間を運航していますので、住吉神社で参拝をしたあとで屋形船に乗り和歌を詠む、などのプランはいかがでしょうか。

【佐屋街道】

名古屋の副都心である金山、その金山総合駅は中区の南端で、金山総合駅の南半分を占めるのが熱田区です。 金山総合駅の南口から金山南ビルに沿って右方向西へと進むと金山新橋南の交差点があり、その交差点の南西角に古い道標が残されています。 この道標には「文政四年巳年六月佐屋旅籠屋」という文字があり、1821年に建立されたものであることがわかります。 これが佐屋街道の起点で、佐屋街道とは熱田と桑名を結ぶ東海道のバイパスです。 東海道五十三次の道程の中で、熱田と桑名の間だけは海上ルートとなっています。 そのため、船酔いに耐えられない人や女性や子供、天候で船が出せない時は多くの人がこの佐屋街道を利用したのです。